皮はパリッ、身はふっくら 気軽にタイの切り身の塩焼き

ごはんラボ

山本奈朱香
[PR]

ごはんラボ タイの切り身の塩焼き

 今回から3回のシリーズのテーマは「焼く」。初回はタイの塩焼きです。1匹丸ごとさばくのはハードルが高いけれど、切り身なら気軽に挑戦できます。グリルではなくいつものフライパンを使って、焼きたてのおいしさを味わってみましょう。

 強い味方になってくれるのが、特殊な加工がされたアルミホイルです。身が鍋底にくっつかないので、裏返す時に崩れにくくなります。

 皮はパリッ、身はふっくらに焼くためのポイントは、前もって余分な水分をペーパータオルで拭いておくこと。水気があると表面の温度が上がるまでに時間がかかり、香ばしく焼けません。盛り付ける時に上にする皮側を下にして焼き始めます。

 下準備から10分少々で出来上がり。シンプルな料理だからこそ塩加減が決め手です。魚の重量の1%でしっかり塩味が付き、淡泊な味わいを引き立てます。(山本奈朱香)

監修・料理:渡辺あきこ

写真・図版

調理科学 :香西みどり

【材料(2人前)】

□ タイの切り身 2切れ(1切れは約90g)

□ 塩 小さじ3分の1

【道具】

□ 包丁とまな板

□ ペーパータオル

□ バット

□ フライパン

□ アルミホイル(くっつかない加工がされたもの)

【作り方】

①切り身は鮮度が見分けにくいが、新鮮なものは色がきれいで身にツヤと弾力がある。ドリップ(液体)が出ていないものを選ぶ。

ここから続き

②火の通りをよくするため、身が厚い部分の皮に切り込みを入れる。皮を上にして置き、手で身を縮めてから、包丁を当てて手前から奥に押し出すように切る。切り込みの深さは厚みの3分の1程度に。

③切り身をペーパータオルに載せて水分を拭く。バットに半量の塩を広げ、切り身を載せたら残りの塩を振る。2~3分で塩がなじむ。

④フライパンを中火にかける。手をかざして熱くなったらアルミホイルを敷き、皮を下にして切り身を並べ、弱めの中火にする。切り身が鍋に触れた時にジッと音がするのが熱さの目安。においがこもらないようフタはしないが、切り身に厚みがあれば使っても。

⑤火が通ると魚の縁が白くなってくる。3~4分したら端を少し持ち上げて皮側を見て、焼き色がついていたら裏返す。弱火にして3~4分。箸で押さえてみて弾力があれば完成。

【動画】タイの塩焼きのポイント=合田昌弘撮影

【アレンジ】

◆サバの塩焼き

 サバのように臭みがあり、脂ののった魚は、塩を振って、引き出した水分を拭いてから焼く。切り身2切れ(1切れは約90g)に切り込みを入れたら、塩小さじ3分の1の半量をまぶし、約10分置く。出てきた水分を拭き取り、焼く直前に残りの塩を表面に振ったら、熱したフライパンで皮側から焼く。大根4センチほどをすり下ろし、ざるで水分を軽く切って酢小さじ1を加えたものを添える。

Cookery Science

 魚に振り塩をするのは味付けだけでなく、塩の脱水作用で魚表面の身を引き締めると同時に、水に溶けた生臭い成分を除くため。焼く前に表面の水分はしっかりふき取る。サバなどの脂肪が多く水分が少ない魚は塩がしみ込みにくいので、置いておく時間を長くする。

専用ホイルで手軽に

 油なしでも食品がくっつかずきれいに焼けるアルミホイルは、スーパーや100円ショップで「フライパン用ホイル」「くっつかないアルミホイル」などの名称で売られています。

 発売元の一つ、旭化成ホームプロダクツによると、耐熱温度が300℃と紙製クッキングシートよりも高く、フライパンを使う調理に適しています。くっつかないのはアルミホイルの片側がシリコーン樹脂加工されているため。裏表を確認して使います。

 皮の付いた鶏肉や、下味付きやみそ漬けなどの焦げつきやすい肉料理にも使えます。スクランブルエッグを作る場合は、ホイルをやぶかないように優しくかき混ぜます。フライパンが汚れないので後片付けも楽です。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら