鴻海傘下のシャープ、崩れた戦略 米中摩擦で需要激変

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福山亜希 中島嘉克
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 シャープは9日、鴻海(ホンハイ)精密工業(台湾)の傘下でめざしてきた2020年3月期の業績目標を大幅に引き下げた。売上高3兆2500億円、営業利益1500億円を掲げていたが、2兆6500億円、営業利益1千億円へと修正。米中貿易摩擦の影響を受けたことや中国でのテレビ販売が苦戦したためで、当初の成長シナリオが崩れた。

 9日発表した19年3月期決算は、売上高が前年比1・1%減の2兆4千億円で2年ぶりの減収。営業利益は6・6%減の841億円となり、なかでも19年1~3月期のテレビ事業は赤字へ転落した。

 シャープは、中国の景気減速などを理由に2度にわたり業績予想を下方修正してきた。それでも売上高は2兆5千億円(前年比3%増)と増収の見込みだったが、中国でテレビの安売り競争にさらされて収益が低迷した。野村勝明副社長は「環境は想定以上に厳しかった。米中貿易摩擦で顧客の需要が変動した」と振り返った。

 鴻海からシャープに送り込まれた戴正呉会長兼社長が掲げてきた当初目標をこの日、断念した。同社の20年3月期は売上高が前年比10・4%増、営業利益が18・8%増を見込むが、スマートホーム事業やパソコン事業で着実に稼ぐなど練り直しが急務だ。

 シャープは16年8月に鴻海…

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