卵を食べてみたい アレルギーと向き合いパティシエに

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松本千聖
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 子どもの病気というイメージが強い食物アレルギー。だが、治らないまま大人になり、多様な悩みと向き合う人もいる。この春、ある夢に向けて一歩踏み出した女性も、子どものころから、食物アレルギーに悩んできた一人だ。

 キャラメルバナナケーキや、チョコチップクッキー東京都世田谷区にあるカフェに並ぶスイーツ。作ったのは、この春から働き始めた瑠美さん(21)だ。

 赤ちゃんの時に卵アレルギーと診断された瑠美さん。間違って食べると下痢や嘔吐(おうと)がひどく、卵を食事から除去するようになった。家には卵は一切持ち込まれなかった。

 母は、小学校の給食では卵に代わるおかずを持たせ、誕生日には卵の入っていないケーキを焼いてくれた。「自分の食べているものもおいしいし、別にみんなと同じじゃなくていい」。そう思っていたという。

 だが、中学生になると、交友関係が広がり友人と外食する機会も増えていく。はやりの食べ物を食べられなかったり、たまたま入った店がアレルギーの情報を開示していなかったりと、不便を感じた。

 さらに、大好きなお菓子については少し特別な思いも芽生えた。ショーケースに並び、みんながおいしそうに食べるケーキ。「どんな味がするんだろうと、きらきら輝いて見えた」

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■研究段階の治療がある…

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