新潟)食の風景 「越後808」ひげにんにく

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荒海謙一
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 ニンニクから根が生え、茎も伸びている。栽培用ではなく食用として売られている。根っこがひげのようだから「ひげにんにく」。イチ押しの素揚げは、ほくほくした実とカリカリした根や茎の食感がおもしろい。特有の風味が食欲をそそり、軽く塩、コショウすれば格好の酒の肴(さかな)にもなる。芯まで火を通せば臭いも残りにくい。

 生産しているのは長岡市西川口の農業法人「越後808(はちまるはち)」。合成樹脂で梱包(こんぽう)、結束用ロープなどをつくる「信越工業」が母体で、その敷地に同居する。それにしてもロープが本業のメーカーがなぜ?

 越後808と信越工業の社長を兼ねる真島徳幸さん(57)が苦笑交じりに話す。「開発したロープの製造機械が優秀すぎて人手が余ってしまった」。1969年に設立された信越工業の目的は農閑期の出稼ぎをなくすための雇用創出。新型機械はメーカーとしての地位向上に寄与したが、新たな雇用の場を求めて着目したのが農業だった。

 越後808の設立は2011…

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