熊本地震で息子亡くした両親、小学生と続ける田植え交流

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後藤たづ子
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 熊本地震で亡くなった熊本県阿蘇市の大学生、大和晃(ひかる)さん(当時22)がまいた種からつないできた稲の田植えが6日、同市であった。晃さんの両親と交流を続けている熊本市立白坪小の6年生23人が保護者らとともに訪れ、晃さんの家族と一緒に手で苗を植えた。

 晃さんは2016年4月16日未明、南阿蘇村の国道57号を車で走行中に熊本地震で起きた土砂崩れに巻き込まれた。その日は朝から種もみまきを手伝う予定だった。4月初めにも家族と種もみまきをしており、父の卓也さん(61)らはその稲から種もみをとって一昨年、昨年とつないできた。

 地震翌年の17年、白坪小の4年3組の子どもたちは、学校の花壇で育てたキバナコスモスを現場近くの献花場所に花束にして供えた。晃さんが乗っていた車と同じ黄色の花。大和さんの両親がそれを見て、クラスとの交流が始まった。学校を訪ねたり、晃さんがまいた種につながるコメを贈ったりし、子どもたちも両親に手紙を届けたりした。

 両親はこの春の田植えを前に、6年生になった子どもたちを思い浮かべた。「小学校最後の思い出に数人でも来られる子がいたら」と当時の担任、島田宏さん(64)に声をかけた。

 子どもたちは6アールほどの田んぼに裸足で入ると、その後は卓也さんらに教えてもらいながら苗の束を植えていった。

 大浜心春(こはる)さん(1…

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