新天皇に各国期待 英女王は「私的なメッセージ」送る

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 新天皇陛下の即位は海外でも大きな関心を集めた。各国政府からは親愛を込めた上皇さまへの言葉や新たな時代を迎えた日本との関係づくりへの期待が寄せられた。

 フィリピン大統領府は4月29日、「よき友人であった明仁天皇の退位に際し、感傷的な気持ちになっています」との声明を発表。3年前にフィリピンを訪れ、第2次大戦で亡くなった現地の人たちをまつる「無名戦士の墓」などに足を運んだ上皇さまの退位を惜しんだ。

 中国の習近平(シーチンピン)国家主席は1日、陛下に祝電を送り、「ともに手を携えて努力し、平和と発展を促し、両国関係の美しい未来を切り開きたい」と述べた。

 退位した上皇さまは、国交正常化後の中国を訪ねた唯一の天皇。中国外務省の報道官も4月30日の会見で「中日関係の発展に積極的な貢献をした」と評価した。大きな災害時に現場を訪ね、被災者と交流する庶民的な性格も好感をもたれている。

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領も新天皇陛下に祝電を送付。「韓日関係の友好的な発展のため、大きな関心と愛情を持つことを願う」と陛下への期待を表明した。

 タイ政府は1日、陛下の即位にあたり、プラユット暫定首相が安倍晋三首相あてにお祝いの手紙を送ったと明らかにした。タイ王室と日本の皇室はゆかりが深く、2016年に死去したプミポン前国王の弔問のため、上皇さまと上皇后さまが翌年タイを訪れている。プラユット暫定首相は手紙で、タイ王室と日本の皇室の友好関係に触れ、新天皇陛下のもとで「日本に平和と調和、繁栄が続くことを願う」と伝えたという。

 ベトナム政府も1日、最高指導者のグエン・フー・チョン共産党書記長名で、陛下の即位を祝福するメッセージを発表。「『令和』の時代に日本の人々がさらなる発展をとげ、アジアの平和と繁栄のためにベトナムと日本がより効果的な協力関係を築いてゆくことを確信している」と述べた。

 英国では1日までに、エリザベス女王が陛下と上皇さまにそれぞれ「私的なメッセージ」を送った。英王室の広報担当者は「内容は明かせない」としている。陛下が1983年から2年間留学したオックスフォード大マートンカレッジは1日、即位を記念し、同カレッジの旗を掲揚。構内の礼拝堂にある約10個の鐘を15分間にわたって鳴らした。

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 日本に住んだ経験があり日本…

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