日産が米国で落ちた「わな」、販売現場むしばむ「麻薬」

有料記事経済インサイド

友田雄大
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経済インサイド

 「ブランドを毀損(きそん)している」。本社がある横浜市で開いた決算会見で、日産自動車の西川広人社長兼CEO(最高経営責任者)はほぞをかんだ。5月14日に発表した2019年3月期決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比44.6%減、純利益は同57.3%減に沈んだ。

 さんたんたる結果の原因は、日産の世界販売の3割を占める米国市場の不振だ。19年3月期は前年同期比9.3%減。西川氏は、「販売台数の拡大を狙うあまりインセンティブ(販売奨励金)を多用したが、それでも販売が伸びず、補塡(ほてん)するためフリート販売を増やすサイクルに入った」と説明する。

 「インセンティブ」?

 「フリート」?

 いったいどういう意味なのか。

年間1700万台もの車が売れる米国。中国に抜かれたとはいえ世界第2位の巨大市場です。利幅が大きい車が多く売れ、世界中の自動車メーカーが「ドル箱」の最重要マーケットと位置づけます。しかし、ここではある「わな」に落ちるメーカーが後を絶ちません。今回そこにはまり込んだのは日産自動車。一体何が起きたのでしょうか。

 もっとも分かりやすいのは「…

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