「お散歩が怖い」保育士の重圧 てぃ先生が語った危機感

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聞き手・机美鈴
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 保育園児が園外活動中に交通事故に巻き込まれる事故が5月に相次ぎました。ツイッターのフォロワーが約48万人に上る保育士・てぃ先生(32)は、大津市で園児ら16人が死傷した事故の後、保育士の配置基準の問題点を指摘し、現場も訪問しました。子どもたちの安全確保のため、保育園が抱える課題は何なのか。朝日新聞「#ニュース4U取材班」が、考えを聞きました。

てぃ先生 1987年生まれ。11年目の現役保育士。複数の園でのアドバイザーもしている。保育士の仕事の楽しさを伝えつつ、業界の改善についても発信している。著書に「きょう、ほいくえんでね…!!」(マガジンハウス)など。名前の読みは「T」先生

 ――事故翌日に現場まで足を運んで感じたことは。

 事故後に保育園が開いた記者会見で、メディアは園のあら探しをしているように感じました。ネット上は「園に落ち度はないのに」と、マスコミへの不信と反発があふれていた。でも、じゃあ「車が悪い」で終わらせていいのか。自分の目で確かめたかった。行ってみると、一部に縁石はあるが、ガードレールはない。お散歩のルートとしては危ない。むしろ今まで事故が起きなかったのが不思議だったとの印象を持ちました。

「ありがとう」もありがたいけど

 ――安全確保のために、保育園側はどんな対策を取り得るのでしょうか。

 以前、都内の保育園の開設に関わった時、園の目の前の道路が車通りが多いにもかかわらず、ガードレールがありませんでした。園長を通じて役所に要望したら、しばらくして設置されたんです。いまの状況を当然のものとしない視点も必要です。大津の保育園が実際に行政に要望していたのか、そうでないのかはわかりません。ただ、ご遺族や今後の安全について考えると、「保育園はなすすべがなかった、だから仕方がなかった」で終わらせてはいけないのだと思います。

 ――ネット上では、「車が悪い」との声とともに、「#保育士さんありがとう」のツイートがあふれました。

 車が悪いと言っているだけで…

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