菓子箱が精巧な騎士に 5万RT、空き箱職人の名作たち

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足立優心
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 お菓子などの空き箱を使って人物や建物などを造形する「空き箱職人」の個展が神戸市で開かれている。独特な発想で生み出される作品を子どもから大人まで多くの人が楽しんでいる。

高く掲げた槍の先に…

 蒸気機関車、自動車、洋館、動物、騎士……。絵本や図鑑から飛び出してきたかと思えるような精巧な作品が並ぶ。だがよく見ると、甲冑(かっちゅう)に身を固めた騎士が高く掲げる槍(やり)の先には「甘すぎないおいしさ」という不思議な文字が書かれた旗がひるがえっている。

 これらの作品を生み出したのは神戸芸術工科大学神戸市西区)に通うはるきるさん(21)。2018年、チョコレート菓子の空き箱で作った作品をツイッター(@02ESyRaez4VhR2l)に投稿したところ、5万人以上にリツイート(拡散)されて話題となった。作品を実際に鑑賞できる個展は今回が初めてという。

 幼い頃からチラシを使った紙工作などで遊ぶことが好きだった。お菓子の空き箱も紙でできていることから、工作の材料として使うアイデアが浮かんだ。「皆が知っているお菓子を別の形にできれば面白い、と」(はるきるさん)

 制作には平均で10時間ほどかかり、複雑なものでは20時間を要したこともあった。制作ペースは週に一つほどだ。

箱の印刷、生かすのがこだわり

 作品は単にパッケージを切り貼りするのではなく、空き箱を見て、色とイメージからモチーフを決める。箱に印刷された文字やイラストを生かし、それぞれのお菓子のイメージを反映した作品にすることを大切にしているという。今では企業側から提案を受けて取り組むこともあるなど、制作の幅も広がっている。

 今後は動画投稿サイト「ユーチューブ」で作品の制作過程を早送りで紹介するなどの試みも考えている。アートの「取っつきにくいイメージ」を変えるため、「大学卒業後は、アートへの関心の有無に関係なく楽しんでもらえる作品を生み出せるアーティストをめざしたい」と話す。

■「次」の構想、すでに…

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