群馬)ことばが動き出す 創刊60年「現代詩手帖」展

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丹野宗丈
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 今年6月に創刊60年を迎える詩の月刊誌「現代詩手帖(てちょう)」(思潮社)のこれまで刊行された全冊を展示し、その歴史を振り返る企画展が前橋文学館前橋市千代田町3丁目)で開かれている。スマートフォンやタブレット端末を使った仕掛けも用意され、詩を体感して楽しめる空間になっている。

 同館初の文芸雑誌の企画展「詩の未来へ―『現代詩手帖』の60年―」は、2年ほど前から準備してきた。多くの詩の文芸雑誌が廃刊する中、「現代詩手帖」は1959年6月の刊行以来、増刊号などを含めこれまでに750冊ほどの刊行を続け、多くの現代詩人が作品や批評を通じて交わってきた。思潮社によると、全冊が展示される企画展は初めてだという。

 「雑誌の顔は表紙。表紙には時代の雰囲気が表れる」という萩原朔美館長の下、「現代詩手帖」全冊の表紙絵が見えるように展示。現代詩を巡る状況などを解説したパネルも置き、バックナンバーの表紙とともに国内の現代詩の歩みをたどれるようにした。

 一方、デジタル化の時代を迎え、「今はタブレットとか、紙の上に乗っからない文字を見る時代」と萩原館長。企画展では、映像などが浮かび上がる拡張現実(AR)の専用アプリを使い、生きもののように動く文字を体感できる。

 専用アプリを起動させ、企画展で入手できるチラシにスマホやタブレットをかざすと、画面上に文字が次々と浮かび上がる。

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 《紙という乗り物が揺れてい…

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