大阪W選、演説場所の人の流れ比較 スマホデータで分析

有料記事大阪都構想

田中誠士 嘉幡久敬
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 4月7日に投開票された大阪府知事大阪市長のダブル選挙の際、維新陣営と反維新陣営では、演説会場への人の集まり方に大きな差があったことが、スマホを使ったビッグデータ解析で改めて浮き彫りになった。

 ソフトバンクの子会社アグープ(東京都渋谷区)がスマホアプリを通じて集めた位置情報などをもとに、朝日新聞の取材チームが分析した。

 自民党や公明府本部が推薦する反維新陣営は、なんば高島屋前(大阪市中央区)で演説した後、ヨドバシカメラ梅田前(同北区)で選挙活動を終えた。一方、大阪都構想を掲げる地域政党大阪維新の会陣営は、なんば高島屋前で締めくくった。

 今回、分析した範囲は①なんば高島屋前を中心とする東西100メートル、南北200メートル②ヨドバシカメラ梅田前の東西100メートル、南北200メートルのエリア。それぞれの陣営が演説した時間帯にエリア内に存在するスマホの数を、ふだんの土曜日の平均値と比べた。

 なんば地区のエリア内にいた人数の時間ごとの変化をみると、維新陣営は、演説をしていた時間帯の平均値で、ふだんの土曜日に比べて28%増加するなど勢いがみられた。一方、反維新陣営では4%の減少となっていた。

 ヨドバシ梅田前では、反維新陣営の最後の演説の時間帯は逆に約10%の増加だった。

 分析エリア内に30分以上滞在した人の割合(帯グラフ)は、なんばで維新陣営が行った演説時はふだんより約7ポイント増えており、反維新陣営ではほとんど変化がなかった。梅田で反維新陣営が行った演説時は約2ポイント増えていた。

 ただ、これらのデータには、この日の時間帯による人通りの増減なども影響している可能性もある。

 人が密集する様子を地図上に「ヒートマップ」で示した。30分以上滞在した人の密度の違いを色分けし、密度が高いところは暖色、低いところは寒色で表した。時間を追うごとに人々が集まり、散っていく様子が分かる。

 アグープはアプリの利用者から許諾を得た上でデータを集めている。スマホを所持する人の氏名や住所などのデータは収集していない。

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