不登校・子どもの自殺、GW明け注意「緊張の糸切れる」

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沢木香織 長富由希子 山根久美子
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 「今年のゴールデンウィーク(GW)は、10連休と例年にない長さ。休み明けの不登校や子の自殺が心配です」。読者の疑問や困りごとを募って取材する「#ニュース4U」取材班に、不登校の現状を伝える「不登校新聞」(東京)の石井志昂(しこう)編集長(37)から緊急の取材リクエストがあった。大人たちは何に気をつければいいのか。

頑張りすぎて疲れがどっと

 「4月はまわりに適応しようと、自分を押し殺して頑張る。頑張りすぎて5月の連休で疲れが出て、緊張の糸も切れるんです」。中学2年のGW明けから学校を休み、不登校になった経験がある山形市議の松井愛さん(42)はこう話す。

 松井さんは担任やクラスの同級生と合わなかった。GW後から様々な体調不良がでて、学校にほぼいけなくなった。「当時の体調不良は今思えば、自分を守るための防御本能。無理やり行き続けたら、自分がどうなっていたかわからない」

 成人後、若者の居場所を作るNPOで活動し、4月、不登校経験を明かして、不登校やひきこもりの支援も掲げ、市議に初当選した。松井さんは「不登校になったら終わりじゃなくて、いくらでも道がある。不登校の経験があったからこそ、今があると私は思えるし、そう思えるように生きていく道があることを知って欲しい」と話す。「学校という狭い世界だけで生きていると苦しい。地域活動とか習い事とか、学校の人間関係から解き放たれる場所を持って欲しい」

自治体がLINE相談窓口も

 GWに向け、国や自治体も動いている。文部科学省は4月中旬、教育委員会などに対し、連休明けの子どもの変化に注意するよう各学校への周知を要請。大阪市は、市立の小中高校生がいじめや学校について話せる「LINE」の相談窓口を、10連休終盤の5月4日から10日まで毎日(午後5時~午後9時)設置する。

 国の自殺対策白書(2015年版)によると、1972年~2013年の18歳以下の日付別自殺者数は、夏休み明けの9月1日が131人と最も多いが、GW明けも多い傾向がある。長い休みの後は「プレッシャーや精神的動揺が生じやすい」と分析する。

 GWの子どもたちに気をつけるべきことについて、取材リクエストをくれた石井さんは「子どもが本来の姿に戻れるように休ませてあげて欲しい」と話す。新学期からの疲れやストレスがたまり、長く寝たり、ゲームを長くしたりする子もいるが、「疲れを取る時期と考え、少し目をつぶってあげて欲しい」という。

SOSは体や表情に異変

 連休明けの子どものSOSはどうキャッチすればいいのか。「『学校に行きたくない』とは、ほとんどの子どもが言わない」と石井さんは言う。SOSの出し方は子どもによって違うが、学校に行こうとすると頭痛や腹痛が起きたり、自分の意思で体を動かせなくなったり、体や表情に異変が出てくるケースが多いという。いらだちが止まらなくなるといった子もいる。

 サインが出た時は、子どもはすでに限界ぎりぎりの状態。「『もうちょっと頑張ろう』と言われると子どもは絶望してしまう。『無理しなくていいよ』と言って休ませてあげてください」と話す。

 石井さんによると、子どもは…

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