幼少期の2人、藤井七段が「動」なら豊島新名人は「静」

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杉本昌隆八段の「棋道愛楽」

 佐藤天彦名人に豊島将之二冠が挑戦した第77期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催)。安定した指し回しの豊島二冠が4連勝し、平成生まれで初の名人が誕生しました。王位、棋聖も保持し、三冠です。豊島新名人は愛知県一宮市出身で、名古屋在住の私も同郷の棋士として非常に誇らしい気持ちです。

 10代からその実力は高く評価されていました。思い出すのは、豊島新名人がまだ幼稚園児か小学1年生のころ。地元の将棋大会で指導対局を2枚落ちで何局か指しましたが、「銀多伝」定跡からの冷静かつ合理的な指し回しが忘れられません。勝負は私の完敗。隙のない指し手は当時からでした。

 幼少時代のイメージは、後に…

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