小説家・金井美恵子さん寄稿
明治・大正・昭和と続いた個人の死による元号の変化が、近現代史を語る時に使用されはするものの、今日ほとんどの者は、日常的にも歴史を考える時にも元号を使うことはないはずである。
この原稿が掲載されている紙面の上方を見れば、太ゴチック体の西暦の年数の後のカッコ内に、とりあえず、一応といった目だたなさで元号が記されていることからも、使用頻度がわかるというものだろう。元号を使用した時間的感覚のわかりづらいニュースを伝えるのは、NHKと産経新聞のニュースだけではないだろうか。
天皇の生前退位と即位による…
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