心臓病おして鬼気迫る東北歴訪 「平成流」貫いたお二人

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岩井克己・皇室担当特別嘱託

 東日本大震災が発生したとき、皇居の宮内庁も激しく揺れ、皇居外周の超高層ビルの屋上で巨大な工事用クレーンが右に左に振り回されるのが見えた。

 東北の広大な海岸線に押し寄せる真っ黒な津波。東京電力福島第一原子力発電所の爆発。広大な瓦礫(がれき)の野と化した被災地の惨状に言葉を失った。

 雲仙・普賢岳の噴火、奥尻島、阪神・淡路、新潟県中越沖地震……。災害発生後すぐに現地に入り、被災者一人ひとりにじかに声をかけるのが天皇、皇后両陛下の「平成流」だ。しかし、さすがに今回ばかりはとても無理だろうと思った。

 1カ月前、胸苦しさを訴えた天皇陛下は東大病院に検査入院し、心臓の冠状動脈2カ所にかなり深刻な狭窄(きょうさく)が見つかって投薬治療に入ったばかりだった。

 だから、夜回り取材先で宮内庁幹部から「両陛下は週明けから避難所や被災地に入られる」と聞いた時は心底驚いた。

 「命がけの覚悟だ」と衝撃を…

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