サザエさんは昭和美化の時代劇?「家族の教科書でない」

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湊彬子
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 日曜夕方に放送されているアニメ「サザエさん」(フジテレビ系)が今年、放送50周年を迎える。半世紀の間に実社会では家族のかたちは大きく変わり、3世代同居家族の日常を描く国民的アニメの見方に反映される価値観も多様になってきた。

 「『春眠暁を覚えず』だな」。朝から家族7人でちゃぶ台を囲むと、波平は眠そうなカツオとワカメに声をかける。7日に放送された全3話中の1話。眠れないマスオのために家族が工夫する様子を軸に、居眠りをするサザエやフネの様子を描き、「眠さ」だけをテーマに約7分の物語が構成されていた。

 漫画研究家の清水勲さん(79)はアニメの長寿の理由を「家族の中に幼児から会社員までの広い年代が出てくるので、見る人が誰かしらに共感ができ、飽きがこないから」と分析する。

 一方で、「原作とアニメは別物だ」とも指摘する。「時事ニュースを反映して風刺が利いていた原作とは違い、アニメは現代の小学生も楽しめるホームドラマ。時代の受け手に合わせて変わっていく、スケールの大きい特殊な作品だ」

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 実は、放送開始時は「トムと…

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