西鉄バスジャック、区切り付けた遺族「君はどうなんだ」

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菅原普
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 17歳の少年が佐賀を発った西鉄高速バスを乗っ取り、乗客3人を死傷させた事件から5月3日で19年が経つ。一抹の悔いを抱え続ける元警察官。ようやく区切りをつけることができた遺族。関わった人たちは、いまも様々な思いで事件を見つめている。

 休日出勤のお昼過ぎ。佐賀県警の佐賀署生活安全課の少年係長だった松尾伸一郎さん(61)は、慌てた様子で部下が部屋に入ってきたのを覚えている。

 「バスジャックが起こっとるようです」

 テレビをつけると、カーテンを閉め切って高速道路を走るバスの空撮映像が中継されていた。「少年」「刃物を所持」。情報が断片的に聞こえてきた。

 「あの子じゃないか」

 声が上がった。松尾さんにも…

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