「スシボンバー」が沖縄でコーヒー豆をつくるわけ

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清水寿之
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 ドイツで「スシボンバー」の異名をとったストライカーが、沖縄でコーヒー豆の栽培に取り組んでいる。その先に、見据えるものとは。

 「沖縄コーヒープロジェクト」の発表会見が17日、東京都内で開かれた。沖縄県耕作放棄地でコーヒー豆をつくり、ゴーヤーなどにかわる新たな特産物に育てようという計画だ。大手コーヒーメーカーのネスレ日本などが手を組んだ。

 発案者が元サッカー日本代表FWの高原直泰(なおひろ)(39)だ。「うまくいけば地域の課題も解決できるし、お金も稼げる。サッカー以外で、これだけの楽しみを経験したことがない」と声を弾ませた。

ドイツで知った地域とのきずな

 高原は1998年にJ1磐田でプロデビューし、2002年にはリーグMVPと得点王に輝いた。その後ドイツへ渡り、ハンブルガーSVやフランクフルトでプレー、1部リーグでシーズン2桁得点を挙げるなど活躍した。

 現地で目の当たりにしたのが、サッカークラブと地域との密接な関係だ。選手たちが数人単位に分かれて郊外まで足を運び、住人たちと交流していた。「日本にいたころの自分では、考えもしなかったこと」。地道な取り組みが、満員の観客席につながっていることを肌で感じた。

 15年、サッカーチームを中心とするスポーツクラブ「沖縄SV」を立ち上げた。沖縄へ移り住み、将来のJリーグ入りをめざして選手、監督、最高経営責任者(CEO)の三役をこなす。

 ドイツでの経験を踏まえ、クラブの設立時から、地域とのつながりを大切にしてきた。沖縄の伝統工芸を生かしたポロシャツをつくったり、地元産のもろみ酢をつかったドリンクを共同開発したり。

 手入れをする人がいなくなって荒れた農地を、選手たちと一緒に耕したこともある。

■直面した沖縄の課題…

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