和歌山)再犯防止へ 県内でも「職親プロジェクト」進む

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片田貴也
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 刑法犯に占める再犯者の割合が高まる中、刑務所や少年院を出た人に企業が仕事や住まいを提供し、再犯防止を目指す取り組み「職親(しょくしん)プロジェクト」が県内でも進んでいる。参加企業は20社で3年前の発足時から増加。ただ、出所者らの雇用が進まない課題も浮かぶ。現状を探った。

 4月上旬の夕方、和食チェーン「信濃路」(本社・和歌山市)。「いらっしゃいませ」。男性(20)の声が店内に響いた。この男性は高校中退後、塗装業に従事したが、遊興費などで金が底をつき、食料品などの万引きを繰り返した。深夜の街で補導され、数カ月は親元で過ごしたが家出。保護観察中の17歳ごろ、再び窃盗が発覚し、少年院に入った。

 「遊ぶ方が楽しい、考えの甘さがあった」。少年院で職親プロジェクトを紹介され、出身地の大阪での交友関係を断とうと和歌山での就職を決めた。2017年6月から働き、今は接客や調理などの業務を担う。店長になる目標もでき、仕事への責任感も生まれた。「企業に拾ってもらって、変わるきっかけができた。今後恩返ししていきたい」と話す。信濃路では、14年から職親プロジェクトで10~50代の男女6人を雇用。今年4月時点で3人が働く。

 再犯を繰り返し、悪循環に陥…

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