トランプ氏を「シロ」とした報告書 ロシア疑惑の今後は

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沢村亙
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 《トランプ大統領が自らに迫りくる捜査に圧力をかけたかのような数々の行為は認められた。だが、それは自らが潔白と考える問題について捜査を受け、メディアなどで攻撃されることに怒り、憤っていたからだった。捜査には全面協力しており、こうした一連の経緯の「文脈(Context)」も考慮すれば、トランプ氏に「司法妨害の不正な意図」があったとは認められない》

 2016年のアメリカ大統領選でロシアがトランプ氏に肩入れしたとされる「ロシア疑惑」をめぐり、米司法省は18日、マラー特別検察官の捜査報告書を公表した。バー司法長官は冒頭に書いた回りくどい論法で、トランプ氏に「シロ」のお墨付きを与えた。

 ロシア疑惑は、半世紀近くも前に米国を揺るがし当時のニクソン大統領の辞任へと至った「ウォーターゲート事件」を念頭に、「ロシアゲート事件」と呼ばれるまでに米国内外で注目を集めてきた。マラー氏による1年10カ月に及んだ捜査対象は多岐に及んだが、簡単に「おさらい」をすれば、疑惑は大きく二つに分けられる。

 ひとつは、ロシア当局が米大統領選でトランプ氏が有利になるように干渉したり、民主党のメールをハッキングしてヒラリー・クリントン候補に打撃を与える情報を盗み出したりした事件だ。

 報告書はロシア側が、大統領選でトランプ氏が有利になるように、こうした行為にかかわり、さらにトランプ陣営に熱心に接触していたと結論づけた。だが、トランプ氏や陣営関係者、あるいはほかの米国人が、こうした犯罪行為でロシア側と「共謀」していたことを示す証拠はなかったとした。

 確かに、一定の動機をもって…

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