2020年度に始まる新しい大学入試で大きく変わるのは英語だ。「話す力」も問われることになり、国は英検などの民間試験を活用する方針。「臆せずに英語がしゃべれる」を目指す教育の現場を訪ねた。
「トイレはどこ?」「そこの右」
こうした休憩時間の会話も自然と英語になるという「イングリッシュキャンプinあいち」を訪ねた。愛知県教育委員会が年3回開く「英語漬け」の3泊4日。県美浜少年自然の家(愛知県美浜町)で小6から高3までの約80人が過ごした昨年12月末のキャンプに参加した、同県西尾市の加藤恒晴君(12)は「夢も英語で見た」と笑う。
キャンプで指導役だった英国人教師のジェームズ・エッジェルさん(29)は「いいね、グッジョブ」と褒め続けるという。「間違いを恐れない。みんなもっと英語を話せるはず」と考えているからだ。サポーターとして参加した名古屋大の中国人留学生、王馨怡さん(23)は「私も英語は母語ではないけど、英語を話せると楽しいと知って欲しい」。キャンプで外国人客との共生策を発表した幸田高校の河村謙太さん(17)は「英語は得意ではないけど好き。キャンプで自信がついた」と話した。
参加費は小中学生が一人約1万3千円、高校生が約1万5千円。毎年、抽選倍率5倍の人気という。
愛知県立尾北高校(江南市)は国際教養科で、英語しか話せない討論形式の授業を導入している。2月の授業のテーマはバレンタインチョコを学校で交換するのは是か否か。米国の教科書の例文を応用し、自分で文を作って主張することが求められる。授業を手伝う英会話学校経営の英国人教師、タム・ヤングさん(41)は「話す力の向上が見込める」と強調する。
実際、生徒の英語の成績は向上…