かけがえのない国民の財産…奈良や京都で防火対策始まる

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 パリのノートルダム大聖堂の火災を受け、文化庁は17日、国宝や重要文化財の建造物や、美術工芸品を保管する博物館などの防火対策を緊急に調査すると発表した。都道府県に防火設備や落雷対策、警備体制などの調査を求める。

 宮田亮平長官名で「文化財は、火災等により滅失毀損(きそん)すれば、再び回復することが不可能なかけがえのない国民全体の財産」とし、「改めてこれまで以上の防火対策等の徹底をお願いします」との文書を公表した。

 歴史的建造物が集まる奈良や京都では対策が始まっている。奈良市消防局は16日、79の寺社などに自動火災報知機など防火装置の点検について注意喚起。県文化財保存事務所も同日、奈良市の薬師寺唐招提寺などで建造物の修理にあたる出張所に対し、修理現場での防火対策を再確認するように通知した。東大寺では18日に大仏殿に募金箱を設置し、ノートルダム大聖堂修理に向けた義援金を募る予定だ。法隆寺奈良県斑鳩(いかるが)町)は、文化財保護法制定の契機となった金堂が焼ける大火災を1949年に経験している。世界でも貴重な仏教壁画(7世紀)が焼損した。火災の起きた1月26日を「文化財防火デー」と定めて毎年、法要と訓練を行っている。古谷正覚(ふるやしょうかく)執事長は「金堂の火災は私も先輩から度々聞かされ、テレビでフランスの方が悲しむ姿をみて、大変なことが起きたと感じた。細心の注意を払って次の世代に現在のままの寺を引き継いでいかなければ」と話した。

 京都市消防局は16日、市内…

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