嵐もコナンも延々と人気 新しさより「定番」求めた平成

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小峰健二
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 「一度何事にも縛られず、自由な生活をしたい」。1月、アイドルグループ「嵐」大野智は、来年末での活動休止を決めた理由をファンサイトでつづった。1999年のデビュー当時18歳だった大野は38歳になっていた。昭和のアイドルは「若さ」こそが魅力だった。しかし、平成デビューのSMAPTOKIOも20年を超える活動を続け、今や長寿アイドルは珍しくなくなった。

 最新の映画興行収入ランキング(興行通信社調べ、13、14日)に目を転じると、上位二つが長寿マンガ原作だ。

 1位は12日に封切られた「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」。ファン待望の劇場版23作目だ。昨年の前作「ゼロの執行人」は興収91・8億円の大ヒット。近年は6年連続でシリーズの興収記録を更新し続ける。

 96年のテレビシリーズ開始からプロデューサーとして番組、映画に携わってきた諏訪道彦さんは「かつてアニメから卒業していた大人がそのままファンでいつづけている」と話す。当初は、親子連れがほとんどだった客席に、いまは若いカップルや、大人だけの客がいる。「時代の風を感じて切り口は変えるけど、コナンワールドでキャラクターがとる行動のルールや設定の約束事は変わらない。それがより浸透したことが映画のヒットにつながっているのかもしれない」

 最新ランキングの2位はシリーズ39作目となる「映画ドラえもん のび太の月面探査記」。コナンの登場までは公開から6週連続で1位を維持し、すでに興収は47億円を記録している。

 音楽界でも、90年代に爆発的な人気を博したB’zMr.Childrenらベテランのバンドが今でも一線で活躍。「ワンピース」「はじめの一歩」など人気漫画の連載は長期化し、シリーズドラマで勝負するテレビ朝日は好調だ。「相棒」は17回、「科捜研の女」は19回と、シリーズを重ねている。「長寿化」「定番化」は、平成に定着した文化現象だ。

 消費社会研究家の三浦展さん…

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