オムレツイタリア風「フリッタータ」 しっとり半円形に

ごはんラボ

編集委員・長沢美津子
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ごはんラボ ぎっしりフリッタータ

 「フリッタータ」はイタリア式のオムレツです。ジャガイモなどの具をぎっしり入れ、フライパンいっぱいに、丸く分厚くこんがり焼き上げるのが定番。ただし、たくさんの卵が必要です。少ない量でもしっとり仕上げたくて、半円形に折りたたんで厚みを出す方法を探りました。丸いままひっくり返すよりも、ずっと簡単です。

 卵は2個、フライパンは直径20cmのものを使いました。具の量は味わいのバランスと包みやすさから、ジャガイモとタマネギを合わせて卵と同量の100gに。ポイントはジャガイモを薄く切ることです。ゴロゴロ大きく切るよりも、口に入った時の卵との一体感が、段違いによくなります。

 フライパンを熱くして卵液を一気に注ぎ入れ、全体をかき混ぜる要領はスクランブルエッグ(https://www.asahi.com/articles/ASM3Y5W7PM3YULZU01V.html)と同じです。半分にたためたら、中は半熟もよし、指で押して弾力を感じるまで待って取り出せば、ケーキのように切り分けられます。(編集委員・長沢美津子

監修・料理:有馬 邦明

写真・図版

調理科学 :香西みどり

【材料】

□ 卵 2個

□ ジャガイモ 小1個

  (皮をむいて60g)

□ タマネギ 小半個(40g)

□ 塩

□ オリーブ油 小さじ2

【使う道具】

□ 包丁とまな板

□ 鍋

□ フライパン

□ ボウル

□ ざる

□ へら

【作り方】

①ジャガイモの皮をむく。縦に四つ割りにして端から厚さ3~4mmに切る。これがイチョウ切り。タマネギは幅1cmの放射状に切る。これがくし切りで、さらに端から幅5mmに切っておく。

②鍋に水を入れ、1リットルに対して塩小さじ2を加えて沸かす。塩分濃度1%でほどよい塩味がゆでる素材につく。ジャガイモとタマネギを一緒に入れる。イモがやわらかくなるまで5分ほどゆで、ざるに上げて湯を切る。

③ボウルに卵を割り入れて溶きほぐす。塩少々(ひとさし指の先にのるくらい)を混ぜてから、具材を加えて軽く混ぜる。

④フライパンにオリーブ油を中火で熱する。卵液を一滴、油の中に落としてジュッという熱さになったか確かめて全部を注ぎ入れる。へらで全体を大きくかき混ぜる。イモがつぶれるくらいでおいしい。そのまま加熱し、フライパンを前後にゆすって固まりで動くようになるまで待つ。焼き色が付いたら半分に折りたたむ。火を少し弱めて1~2分焼く。フライパンの柄を逆手に持って、皿にふせるようにして盛り付ける。

【動画】オムレツイタリア風の焼き方=合田昌弘撮影

【アレンジ】

◆トマト&チーズ入り

 トマト小1個(70g)を1cm角に切る。小さすぎると水気が出てきてしまい、大きいと卵が焼けてもトマトが生っぽいまま。ボウルに卵2個を溶いて塩少々を混ぜる。粉チーズ大さじ1とトマトを加え、オリーブ油小さじ2で同じように焼く。

Cookery Science

 塩は卵液が熱で固まるのを助ける。たんぱく質(COO-〈-は上付き〉)に塩のナトリウムイオン(Na+〈+は上付き〉)が働き、このマイナスとプラスの引き合いが卵液を固まりやすくする。例えば茶わん蒸し。加えただし汁で卵液のたんぱく質濃度は薄まり具も入るが、塩があることでうまく固まる。

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