生死こえ、世界の実相に迫る73歳作者の今後 中条省平

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【動画】第23回手塚治虫文化賞の選考委員を務めた学習院大学教授・中条省平さん=竹谷俊之撮影
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 マンガ大賞では私は『その女、ジルバ』を推しました。このところ社会情勢のせいか、高齢者が主人公のマンガが流行ですが、この作品は、高齢者とは歴史の体現者だという視点を貫くことで、太平洋戦争と福島の震災・原発事故を同じ歴史のパースペクティブに収めることに成功しています。これほど骨太の人情ドラマはめったにありません。歴史とは過去のことではなく、現在にほかならないことを教えてくれるマンガです。

ちゅうじょう・しょうへい 1954年神奈川県生まれ。学習院大学フランス語圏文化学科教授、映画評論家、マンガ評論家。仏政府給費留学生として渡仏し、パリ大学文学博士号取得。著書に『マンガの論点 21世紀日本の深層を読む』など。

 惜しくも選からは漏れました…

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