「同じお守り、そちらに…」一通の手紙、秘められた過去
六分一真史
一通の手紙が届いたのは約1年前のことだった。差出人は、熊本市に住む90代の男性。静岡県富士宮市の寺の住職、旭日重(あさひにちじゅう)さん(82)は心当たりのない便りの封を切った。
2枚の便箋(びんせん)には、こんな趣旨のことが書かれていた。
家の神棚に、昔から供えられている「お守り」がある。日清戦争にかりだされた父親が生前、軍で「弾よけとして渡された」と話していた。
年があらたまり神棚を片付けた際に、お守りを初めて開いた。〈日蓮聖人真筆 徳川家康公御身代わり 鉄砲大曼陀羅(まんだら)御守 富士山本門寺 明治27年8月〉と書いた小さな紙片が入っていた。
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調べると、富士山のふもとに…
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