海兵隊グアム移転、悩む知事 フィリピン労働者はゼロに

有料記事

園田耕司=グアム 清宮涼
[PR]

 テニアン島の南西約200キロにあるグアム。主要道路を北上すると、北部フィネガヤン地区に鉄条網で囲まれた広大な敷地が広がる。ここは海軍施設で、沖縄から移転する海兵隊員の主要宿営地になる予定だ。3月19日、記者が現地を訪れると、敷地内では重機が地面を平らにならす造成工事の真っ最中だった。

 「移転に伴う人口増は経済に良い影響をもたらす。買い物客やレストランの利用客も増えるし、ホテルに泊まる人も増える。グアムの環境、文化、島民が尊重されるという条件つきで、私は移転に賛成だ」

 エメラルドグリーンの海に面したグアム政庁の知事室で、米領グアムのレオンゲレロ知事が明言した。

 移転計画では、沖縄から海兵隊員とその家族らを中心に約6300人がグアムに移り住む。軍関連施設だけでなく、住宅、学校、道路、上下水道が整備される予定で、総事業費は日本円で9千億円以上。実弾射撃訓練場への反対が強いテニアン島と異なり、グアムでは移転の経済効果への期待が高い。2017年4月の世論調査では島民の約7割が移転賛成だった。

 それに水を差すかのように、島全体を見ると、移転関連事業は難航している。最大の理由は、建設労働者の圧倒的な不足だ。

 グアムは人口約16万人で平…

この記事は有料記事です。残り1981文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら