ゆで卵、思い通りに 6分・8分・13分で比べてみると

ごはんラボ

編集委員・長沢美津子
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ごはんラボ 思い通りのゆで卵

 白身はぴかっと輝き、黄身はしっとりか、トロトロを狙うか。だれもがキッチンに立つ時代、ゆで卵は料理の初歩のようで、思い通りになれば堂々のごちそうです。

 卵のたんぱく質は加熱で徐々に固まるので時間がカギ。沸騰した湯に入れて実験しました。写真の卵の上の数字がゆで時間です。

 6分で白身は軟らかに固まりますが、黄身はトロトロ。しょうゆを1滴たらしたり、カレーにのせたりして崩しながら食べたい。8分はほどよい固さの万能選手で、サラダ用にスライスもできる。13分は固ゆでで、刻んでタマネギのみじん切りとマヨネーズで混ぜれば、自家製タルタルソースです。

 殻がひび割れる心配には、ゆでる前に小さな穴を開けて空気の抜け道を作ります。ゆで上がってすぐ冷やすと白身が縮み、殻がむきやすくなります。つるんと殻がむけた時の爽快感は格別です。

 使う卵や鍋で条件は変わります。自分のぴったりを見つけてください。(編集委員・長沢美津子

監修・料理:渡辺あきこ

写真・図版

調理科学 :香西みどり

【材料】

□ 卵 2個

□ 塩

【使う道具】

□ 鍋

□ ボウル

□ お玉

□ スプーン

□ 押しピン

□ タイマー

【作り方】

①ゆでる途中で殻を割れにくくする準備。まず卵を冷蔵庫から出し常温に置く。湯との温度差を小さくするため。次にとがっていない側の殻の中心に、小さな穴を開ける。

②鍋に卵がかぶる量の水を火にかけ、塩(水1リットルに小さじ1~2)を加える。もし白身が流れ出ても固まりやすい。沸いたら弱火にし卵を静かに入れる。お玉を使うといい。

③好みの固さに合わせてタイマーをかける。時間の目安は、6分間で黄身がトロリとした半熟、8分間で中心部が軟らかい仕上がり、13分間で白身も黄身もしっかりした固ゆで。

④ボウルに冷たい水を入れておき、卵がゆで上がったらすぐ取って冷やす。ぬるくなったら水を取りかえる。殻をむく時は、大きめのスプーンの底で軽くたたいて細かなひびを全体に入れる。水の中で殻をむく。

⑤半分に切る時は、包丁でもいいが、糸を卵の中央にぐるりとかけ、両端を上で交差させてから両側に引くと、切り口が美しい。

【動画】8分ゆで卵=合田昌弘撮影

【アレンジ】

◆味つき卵

 手順は簡単、のせるだけでいつものラーメンがお店の味に。好みの固さのゆで卵でどうぞ。ゆで卵2個の殻をむく。しょうゆ大さじ2、みりん小さじ2(または砂糖小さじ1)、水大さじ4をポリ袋に入れて卵を加え、袋の口を結んで調味料を全体に行き渡らせる。1時間以上おけば食べ頃になる。

Cookery Science

 卵は卵黄を卵白が包み、それを膜と殻が囲む構造だ。産卵直後の白身はpH値が7.5付近だが、溶け込んだ炭酸ガスが殻から出ていくと、pH9付近に。膜と卵白のたんぱく質は、pHが高くなるとくっつきにくくなる。殻をつるんとむくには卵を冷蔵庫に10日ほど置くとよい。

Q&A

 「ゆで卵」に兵庫県の訪問ヘルパー・福田よし子さんから質問が届きました。「お年寄りに卵の日持ちを聞かれますが目安はありますか」。日本養鶏協会アドバイザーで元東京農業大教授の信岡誠治さんに聞きました。

     ◇

 日本での卵の賞味期限は、「生」で安全に食べられることを基準に、産卵から21日前後が目安。新鮮なうちは殺菌成分を含む卵白が卵黄を包んでいますが、時間が経つと卵黄の表面の膜が破れやすくなります。ごくまれですが卵黄にサルモネラ菌が入ると増殖し、生食では食中毒の恐れがあります。10℃以下で冷蔵して殻が割れていなければ、賞味期限から10日程度は、十分な加熱(中心温度75℃で1分以上)で食べられます。

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