落ちてきた梁、祖父母守りたかった 自宅跡通い続ける孫

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池上桃子
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 生まれ育った家は熊本地震で跡形もなくなってしまった。3年経っても建て直すめどは、立たない。それでも、更地となった自宅跡に行く。じいちゃんとばあちゃんを近くに感じられるから。

 竹やぶや段々畑に囲まれた広い敷地には、かつて大家族が暮らした家があった。祖父母と両親、弟と妹に加え、シバイヌや鶏も放し飼いされていた。誰かがけんかすることはめったにない。熊本県益城町の西村洋介さん(41)は、そんな家庭の長男として育った。

 弟と妹が結婚し家を出て、5人で暮らしていた2016年4月16日未明。震度7が町を襲った。本震だった。2日前の前震に耐えた自宅が音を立てて崩れ、祖父の正敏さん(当時88)と祖母の美知子さん(同82)が犠牲になった。

 いま、その自宅跡から車で2…

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