北朝鮮大使館を襲った「自由朝鮮」の謎 逃げ去る高級車

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飯島健太
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 今年2月下旬、スペインの首都マドリードの北朝鮮大使館が、何者かに襲われる事件がありました。実行犯の特定に至る情報はしばらく得られませんでしたが、3月末になって、「自由朝鮮」を名乗る団体が関与を認める声明を出しました。耳慣れない「自由朝鮮」とは一体どういう団体でしょう? 活動の目的は? 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)政権はどう受け止めているのでしょうか?

 事件は2月22日、マドリードにある北朝鮮大使館で起きました。市中心部から車で北西に20分の場所です。パリ支局長の疋田多揚記者が事件後、現場近くで写真を撮影していると、地元警察官に職務質問されました。

 めったに事件もないのでしょう。職質した警察官も、「普段は静かな高級住宅地なんだけど」と戸惑い気味でした。

 地元メディアによると、事件のてんまつはこうです。

 拳銃で武装した10人の男たちが大使館に押し入り、大使館員ら8人の頭を袋で覆い、目隠しして手錠をかけた上で、殴るなどしました。それから数時間、男たちが大使館員らから何かを聞き出そうと尋問を続けていたところ、夕方、一人の女性が大使館の窓から路上に飛び降りて逃げ出しました。この女性が朝鮮語で何か叫んだため、住民が通報して事件が発覚しました。

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 通報を受けて警察が現場に駆…

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