顔にあざ、避け合った高校時代 「見た目問題」に今思う

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岩井建樹
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 「見た目について嫌なことを言われた」「自分の顔が嫌い」。思春期を迎えた中高生たちは見た目に悩み、コンプレックスを抱きがち。そんな10代に向け、外見に特徴的な症状を持つ3人が、前向きに生きるためのヒントを伝えた。

 3人は、アルビノで髪や肌が白い社会福祉士の神原由佳さん(25)、トリーチャーコリンズ症候群で大学院生の石田祐貴さん(26)、顔にあざがある公務員の三橋雅史さん(37)。3月下旬に都内で開かれたイベント「ミタメトーク!」で、中高生約20人と交流した。特徴的な外見から、街中でジロジロ見られたり、学校や恋愛、就活で苦労したりする「見た目問題」について、自分たちの経験を交えながら、中高生に伝えた。質疑応答では、活発なやりとりがあった。

 ――絶対曲げない信念は?

 神原さん 生まれつきの白い髪を染めない。

 即答した神原さんに、会場からは「おー」という歓声と拍手が起こった。

 神原さん 今はこの姿でいたい。髪を染めると、自分を否定することになる。

 ――就職活動で外見が原因で断られたことは?

 神原さん アルバイトの面接で髪がカラーコードにひっかかりました。規定内の髪色に染めるなら採用すると言われたけど、自分から断りました。

 ――人と違う見た目を受けいれているか。

 神原さん 私はこの姿で生きないといけない。だから普通になることをあきらめました。黒髪へのこだわりを捨てたら、金髪が似合う服装やメイクをする楽しみ方ができるようになってきた。ただ気持ちは日々揺れています。

 三橋さん あざを受け入れたかどうかは答えづらい。でも、あざのある自分は99%受け入れています。症状はあくまで私の一部。これに気づけた。日々の仕事や人間関係がうまくいけば、自分を肯定できます。

 ――症状を世の中に知ってもらいたいか?

 石田さん 僕の顔が気になるのは当たり前だと思う。僕は「なんで、その顔なの?」と聞いてほしい。そうすれば僕を理解してもらえるので。人は未知のものを恐れます。でも知っていれば「エッ」となる衝動が和らぐと思う。僕の見た目に慣れてほしい。

 イベントの司会を務めた、見た目問題の解決を目指すNPO法人「マイフェイス・マイスタイル」のアドバイザー朴基浩(パクキホ)さんは、「うっとうしいと感じる善意は」と問いかけた。

 三橋さん 「あざを隠せる化粧品があるよ」と言われること。症状を知ってもらいたくて僕は隠さないでいる。「隠すことが正しい」と押しつけないでほしい。

 石田さん 「大変だね」とすごく共感を寄せてくる人がいます。でも、「僕の気持ちはわからないよね」と感じてしまいます。

 安易な共感に疑問を呈した石田さんの答えに対して、朴さんは「(当事者の)生の声を聞くと、どう接すればいいのかわからなくなってしまうよね。でも、答えはない。家に帰ってからも、家族で話したりして、いっぱい悩んでほしい」と、この場では終わらない問いであると訴えた。

 三橋さんはレーザー治療、石…

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