30歳定年の時代に入り…65歳まで働いたANA乗務員

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丸山ひかり
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 面接で「どれくらいお勤めしそう?」と聞かれ、「2、3年は……」。まさか還暦を過ぎても働けるとは思ってもみなかった。大宅邦子さんは65歳まで働いた初の全日空客室乗務員。国際線就航の際は海外で訓練を受け、同僚らとサービスを練った。「安心して乗っていただく」ために、心を砕いたのは。

 全日空で、65歳まで働いた初めての客室乗務員となった。最後の搭乗は昨年11月、ロンドンから羽田に向かう便。いつも通り、ギャレー(厨房〈ちゅうぼう〉)をぴかぴかに磨き、飛行機を降りた。

 東京都出身。「兼高かおる世界の旅」に憧れる地図好きな少女だった。「世界に近づける」と大学2年で採用試験を受けたが、「客室乗務員の定年は30歳。結婚退職もあった」時代。面接で「どれくらいお勤めしそう?」と聞かれ、「2、3年は……」と答えた。

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