選挙は免罪符、ネットは抑圧ツール…民主主義は死んだ?

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聞き手・沢村亙
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Question サラ・レプッチ氏

 米人権団体「フリーダムハウス」上級部長(調査分析担当)

 ――世界で市民の自由が13年連続で後退していると、2月に公表した報告書で警鐘を鳴らしていますね。

 「以前は抑圧的な国の状況が悪化していましたが、この3、4年は民主的な国でも自由が後退しています。自由を後押ししてきたインターネットが抑圧の道具になった影響も大きい。中国は経済大国としてネットによる社会統制モデルを拡散している。逆にロシアは大国でなくなったがゆえに他国の政治を不安定化させています」

 ――30年前の冷戦終結で民主化した国々が特に悪化しているのはなぜでしょう。

 「当初は民主化を達成すれば後退しないと思われていました。しかしハンガリーのオルバン政権は時間をかけ巧妙に権力の相互監視を弱めてきました。ポーランドやセルビアも心配です。民主主義が社会に深く根を張っていない国は弱体化も早い。民主主義に終着点はなく、守り育てる不断の努力が必要です」

 ――選挙制度がはらむ問題点…

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