「外套」が完成しない12の理由(小原篤のアニマゲ丼)

有料記事

[PR]

 酔っ払ってアニメの感想を書き散らすのは毎年春と秋にやらかしてますが、酔っ払って取材をしたことはありません。でも23日公開のドキュメンタリー映画「ユーリー・ノルシュテイン《外套》をつくる」は、アニメ界随一の巨匠ノルシュテインさんに才谷遼監督がかなり酔って「早く『外套(がいとう)』を完成させて!」と迫るところがクライマックスです。

 酔っぱらいが絡んでるだけのように見えなくもないのですが、ゴーゴリ原作の「外套」に取りかかった1980年から待たれ続けるノルシュテインさんと待ち続けるファン(才谷さんもその1人であり彼の長年の友人でもあります)の積み重なった思いを考えると、「酒の力を借りなければ……」という気持ちは分かります。そして酔って食い下がる才谷さんは、とても真情あふれる答えを引き出しています。「みんなが待ってるという事実をあなたは理解していない!」と言う才谷さんに、「待つことないよ」と力なく自嘲気味の笑みで答える姿は少々ショックでしたけど。

 2016年夏の1週間、モスクワにあるノルシュテインさんのスタジオを訪れて撮影した才谷さんに、先日インタビューしてきました。思えば私と才谷さんの付き合いも、30年近くになるんですかねえ。

 「酔って質問してるところは…

この記事は有料記事です。残り3046文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら