トヨタ社長、就任直後の荒波「私たちの成長は速すぎた」
第1部:波乱からの船出(上)
10年前の2009年6月、トヨタ自動車の豊田章男氏は社長に就いた。
08年9月に「リーマン・ショック」が起き、世界同時不況のあおりは自動車の販売にも及んだ。
トヨタの業績は急激に悪化し、09年3月期は71年ぶりに営業赤字に転落した。創業家出身者が率いる新経営体制は「14年ぶりの大政奉還」とも呼ばれ、業績の回復へのかじ取りが期待された。
トヨタは09年秋、米国で約426万台の大規模リコール(回収・無償修理)を発表した。
カリフォルニア州サンディエゴで、この年の8月にレクサスESが走行中に制御できなくなり、他車と衝突して計4人が亡くなる事故が起きた。
運転席のフロアマットに別車種向けのものが使われており、踏み込んだアクセルペダルがマットに引っかかって戻らなくなったとされた。
これを受け、トヨタは、アク…
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