(時紀行:時の余話)村襲う製鉄集団 神話の陰にたたら

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市野塊
【動画】時紀行 たたら製鉄の炎=井手さゆり、市野塊撮影
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 1級河川・斐伊川(ひいかわ)の水源である、中国山地の船通山(せんつうざん、標高1142メートル)の山頂に、「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)出顕之地」と刻まれた記念碑が立つ。毎年7月には、奉納の剣舞も演じられる。

 日本書紀にも登場する天叢雲剣は、スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治して得たことになっている。その伝説は、定期的に氾濫(はんらん)するうねった川筋の斐伊川の治水事業に、時の権力者が成功した逸話が発端という説がある。ヤマタノオロチに見立てられた斐伊川の流域には、ヤマタノオロチの巣や切られた頭が埋葬されたとされる場所が数多く残る。

 異説もある。島根県立大短期大学部名誉教授(地方史学)の藤岡大拙(だいせつ)さん(86)によると、ヤマタノオロチを古代の製鉄集団とする説だ。戦後に進んだ神話研究の中で注目され始めた新しい説という。

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 藤岡さんによると、定住式の…

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