長弓寺の本堂
奈良県生駒市の長弓寺(ちょうきゅうじ)は、近くの住宅街を流れる富雄川を東に入ったところにあります。寺の名前の由来は土地の豪族、小野真弓長弓(おののまゆみたけゆみ)。一緒に狩りをしていた息子が放った矢が当たり、長弓は亡くなってしまいました。聖武(しょうむ)天皇がこれを悲しみ、僧の行基(ぎょうき)に寺を建てさせたそうです。
山門を抜けると松並木が続き、階段の上に国宝の本堂が姿を現します。棟木の墨書によると、建てられたのは鎌倉時代の1279年。伝統的な和様建築に、中国の建築様式が採り入れられています。まず目に入るのが、そり上がるように広がった屋根の縁です。岡崎良昭住職の言葉を借りれば、「ワシが羽ばたき、飛び立つかのごとし」です。
建物は入り母屋造り。間口は…
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