カケアミアニメでウゴクアメコミ(小原篤のアニマゲ丼)

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 今年の米アカデミー賞は、黒人ピアニストとイタリア系ドライバーの物語「グリーンブック」(3月1日公開)が作品賞、脚本賞、ピアニスト役マハーシャラ・アリさんが助演男優賞を獲得し、助演女優賞もアフリカ系でしたし、スパイク・リー監督の「ブラック・クランズマン」(3月22日公開)が脚色賞、アフリカ系スーパーヒーローもの「ブラックパンサー」も3部門受賞と、アフリカ系の方々が輝いていましたが、圧倒的な下馬評の通り長編アニメ賞に選ばれた「スパイダーマン:スパイダーバース」(3月8日公開)も主人公マイルス少年は半分プエルトリコ系で半分アフリカ系、共同監督の1人ピーター・ラムジーさんもアフリカ系だそうです。楽しくて新しくてカッコいいアニメですよ。

 マイルス君は「多様性」をテーマに掲げた「スパイダーマン:スパイダーバース」の主人公にふさわしい存在です。エリートっぽい学校に行けるくらい勉強はできるけど周りとなじめず、スプレーのグラフィティ(落書き)に打ち込み、堅物の警官の父とはギクシャク。そんな思春期真っ盛りの彼が例のクモにかまれて能力を得るものの、「スパイダーマン」ことピーター・パーカー亡き後の世界で、ヒーローになるかただのヘタレでいるか、戸惑い、おののき、あがき苦しむ成長物語です。まさに王道。

 映画の特徴はキャラの多彩さとビジュアルの斬新さ。共に大胆に誇張され、それ自体がにぎやかで楽しい上に、主人公のドラマの振れ幅を大きくする役割を担っています。

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 マイルス君は境界に立ってる…

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