(ナガサキノート)写真に託す「きのこ雲の下に思いを」
堀田浩一・50歳
堀田武弘さん(1941年生まれ)
2006年に発行された「長崎原爆戦災誌第一巻総説編」改訂版。巻頭に市街地の上空に、きのこ雲が広がる様子を再現した写真が掲載されている。長崎平和推進協会写真資料調査部会が2005年、被爆60年に向けて作った。それまで、上空に浮かぶきのこ雲の写真はあったが、街まで入ったものはなかった。
発案したのはNBC長崎放送の元カメラマンで、同調査部会メンバーの堀田武弘(ほりたたけひろ)さん(77)=長与町。米軍機が撮影した投下直後の映像をつなぎ合わせ、一枚の写真に仕上げた。「きのこ雲の下には長崎の街が広がり、多くの人が暮らしていた。私もその一人。それを表現したかった」
原爆投下時は3歳9カ月。自宅があった長崎市伊良林町1丁目(現伊良林1丁目)で被爆。戦時中の記憶は断片的なものばかりだが、サイレンのたびに防空壕(ごう)へ逃げ込んだこと、大事にしていた玩具、母の言葉はいまも脳裏にしっかりと残っている。写真を見つめ、あの日に思いをはせた。
堀田さんは1941年、8人…
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