南米大陸最高峰アコンカグア(標高6961メートル)の登頂とスキー滑降を目指していたプロスキーヤー三浦雄一郎さん(86)が、同行する医師のドクターストップを受け入れ、下山した。今回の目標は断念となったが、支えてきたのは家族の団結心だ。「三浦家」の絆の強さが変わることはない。
「もしもし、登頂できた?」「帰りは気をつけて」
現地時間21日午前11時過ぎ、アルゼンチン・メンドサ市内のホテルにいる三浦さんが、アコンカグア山頂の次男豪太さん(49)に電話で呼びかけた。
1985年11月。三浦さんは3人の子どものうち長男、長女を連れてアコンカグアにやってきた。当時53歳。この山の登頂とスキー滑降を果たすと、世界7大陸最高峰での滑降という偉業を成し遂げた。
だが、その場に豪太さんはいなかった。アフリカ最高峰は小学生だったときに連れて行った。キャンプと言っては、世界各地に出向いた。でも、米国に留学中の次男は、学業などを理由に父親の誘いを断った。
それから33年余り。親子で一緒に3度のエベレスト遠征、そして今回と、二人三脚で歩んできた。
アコンカグア山頂に親子で立ち、スキーをする。その姿を描いていた。だが今回は、その途上で、息子が父親に「下山しよう」と告げることになってしまった。
そんな息子の通告を受け入れ…
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