和歌山)昭和の周参見駅 夜行列車 釣り客続々

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土井恵里奈
【動画】かつて紀勢線を走っていた夜行列車。釣り客でにぎわった駅の今は=土井恵里奈撮影
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 紀南の駅の夜は早い。JR周参見駅(すさみ町)では、暗くなると人影はまばら。駅前には磯渡しの渡船屋が一つ。海が近い。静かで暗い夜が続く。

 昭和30~60年代の夜は違った。深夜3時前まで列車があり、乗客が続々と降り立つ。「ジャリジャリって軍隊みたいな足音」と話すのは、駅前の渡船屋の子どもだった山西政幸さん(45)。足音の主は釣り用の靴を履いた釣り人。「一晩に3桁ですよ」。渡船屋の仮眠所は、朝釣りを待つ客でごった返した。

 このころ紀勢線では夜行列車が走行。大阪方面には魚の行商人が乗車、紀南方面には釣り客らが乗って周参見や串本など海沿いの各駅で降り、「太公望列車」「釣り列車」と呼ばれた。寝台車を連結し、「南紀」「はやたま」の愛称が付いたこともあった。

 釣り列車の起源は紀勢線が全…

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