家畜を誤食で死なせない ポリ袋追放、勝ち取った写真家

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ナクル=石原孝
【動画】ポリ袋禁止を訴える運動を続けてきた写真家のジェームズ・ワキビアさん=石原孝撮影
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 豊かな自然と野生動物で知られるケニアから、ポリ袋を追い出したと言われている男性がいる。捨てられて川に浮かぶ無数の袋や、袋の誤食で死ぬ家畜の姿に感じた憤り。「古里の環境を守りたい」という強い思いを胸に、男性は変革を求める挑戦を始めた。

 2017年2月、ケニア政府の発表が国内外を驚かせた。スーパーなどで配布されるポリ袋の輸入や製造、使用を禁じ、違反者には最長4年の禁錮刑か4万ドル(約450万円)の罰金を科すという通知を出したのだ。英ガーディアン紙は「ポリ袋を巡る世界で最も厳しい罰則」と伝えた。

 その立役者として市民から称賛されたのが、フラミンゴの生息地として有名だった南西部の世界遺産ナクル湖国立公園近くの街に住む写真家のジェームズ・ワキビアさん(35)だった。

 ワキビアさんが大学でメディア論を学んでいた11年、ナクルの道路や河川には、使用後に捨てられたポリ袋が散乱していた。当時、ケニアのポリ袋の年間消費量は1億枚以上。袋が排水溝を詰まらせ、街の各地で浸水被害や家畜の誤食死が相次いでいた。影響が気になったワキビアさんはある時、近くのごみ集積場を訪ね、衝撃を受けた。廃棄された袋が野ざらしにされ、風で大量に場外に飛ばされていたためだ。

 「美しい自然が破壊される」…

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