沖縄に海兵隊は必要か 抑止力は印籠?元防衛官僚の問い

有料記事私たちの沖縄考

聞き手・古城博隆
[PR]

 「抑止力」が水戸黄門の印籠(いんろう)のようになっていないでしょうか? 納得できる説明を聞いたことがありますか? 小泉政権などで「安全保障・危機管理担当」の内閣官房副長官補をつとめた元防衛官僚、柳沢協二さん(72)は疑問を投げかけています。米軍普天間飛行場の移設問題が岐路を迎えるなか、聞きました。

やなぎさわ・きょうじ

防衛庁に入り官房長などを歴任。2004~09年に内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)で自衛隊のイラク派遣を統括。集団的自衛権の行使を盛り込んだ安全保障法制に反対している。

 防衛官僚時代は、辺野古が最善と考えていました。ただ、2010年に鳩山由紀夫首相が「最低でも県外」を断念する理由として「学べば学ぶにつけ(沖縄への海兵隊駐留で)抑止力が維持できる、という思いに至った」と語ったときから、抑止力とは何かを追究するようになりました。水戸黄門の印籠(いんろう)のようになっていないか。国民が納得するような説明ができるのか、と。

 抑止力とは、反撃する能力と意思を相手に示すこと。海兵隊には能力はある。ただ米国はイラク戦以降、地上部隊の投入に慎重になり、海兵隊を戦地に投入する意思があるかは疑問です。あったとしても前線に基地を集中させておくべきか。前線がやられたときに大量の援軍が反撃することこそ、抑止力の本質だと考えています。

ここから続き

 そもそも在沖海兵隊の主力は…

この記事は有料記事です。残り652文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

私たちの沖縄考

私たちの沖縄考

沖縄のことは他人事ですか? いま考えたい私たちの沖縄とは。[もっと見る]