「自分の漁場に落ちるとは」米機墜落、漁業関係者も不安

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【動画】米軍機が墜落した海域を捜索する自衛隊や海上保安庁の艦艇=熊倉隆広撮影
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 高知県沖の太平洋で6日未明、米軍岩国基地山口県岩国市)に所属する米軍機2機が墜落した。岩国所属の米軍機は11月にも墜落事故を起こしたばかり。相次ぐ米軍機のトラブルに、基地周辺の住民や墜落現場付近で操業する漁業関係者たちには不安が広がった。

 高知県漁業協同組合連合会によると、墜落現場の海域では11月初旬まで一本釣りなどカツオ漁が行われ、これからマグロのはえ縄漁の時期に入るという。県東部の漁業者だけでなく、県内全域から漁船が出て、日頃から漁場にしている。

 同県中土佐町久礼(くれ)のマグロはえ縄漁船、隆勝(りゅうしょう)丸(14トン)の船長、黒原隆盛さん(52)によると、墜落現場の海域で12月中旬からマグロ漁が本格的に始まり、隆勝丸も年明けから操業を予定していた。

 2016年12月にも、米軍岩国基地所属のFA18ホーネット戦闘攻撃機が、県西部の足摺岬沖で訓練中に墜落した。再び高知県沖で事故が起き、黒原さんは「またか、という感じ。でも、まさか自分の漁場に落ちるとは」と驚いていた。

 現場海域周辺は高級魚キンメダイの漁場でもある。安芸漁協(同県安芸市)所属の漁船は4日に操業していた。海人丸(7トン)の船長、川村道幸さん(49)は室戸岬沖の南東約20キロでキンメダイをとる。「操業中、近くに落ちていたらと思うと怖い。事故や油流出の状況などについて説明してほしい」と訴えた。

 高知県や県漁協室戸統括支所などによると、同支所所属のマグロはえ縄漁船、第11一栄丸(19トン)が室戸岬の南方1千キロの沖合を目指し、5日に高知市内の埠頭(ふとう)を出発。6日も墜落現場周辺などではえ縄漁を続けていた。同支所は漁船に連絡し、船員の安否を確認した。船員らは「浮遊物は確認できず、墜落音も聞いていない」と話したという。

 県危機管理・防災課によると、6日午前7時前に防衛省中国四国防衛局から、「米軍機2機が室戸岬沖に着水」と連絡が入った。県内の漁船などへの被害は確認されていないという。

 尾﨑正直知事は報道陣に対し、「まず米軍機の乗員が無事に発見されることを強く願っている」とした上で、「安全管理を徹底していただく必要があることを強く申し上げたい」と語った。

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