若おかみは正月も!(小原篤のアニマゲ丼)

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 「メイン館での公開が1週で打ち切られましたが、ファンの方に支えられてここまで来たので、どうせならこのまま年を越したい」

 最初の週末の成績が悪ければ即上映回数をガクンと減らされてしまうただいまの映画興行の世界で、9月21日公開の「若おかみは小学生!」(配給:ギャガ)はドン底のスタートから、SNSなどでの大量の絶賛コメントに押されて息を吹き返し、ただいま各地で好評上映中。10月27日に兵庫県尼崎市の塚口サンサン劇場で行われた上映後のトークショーで、製作したDLEの齋藤雅弘プロデューサーが冒頭のようにロングランを宣言しました。2016年11月公開の「この世界の片隅に」、今年6月公開の「カメラを止めるな!」でも発揮された「口コミ」パワー、恐るべし。

 「若おかみ」は、上記2作と比べると最初の公開館数は堂々たるものでしたが、いろいろ不利な条件が重なりましたね。原作の児童文学をよく知る層は、もう中学生かそれ以上だから「卒業」済みで、かといって子どもを連れて映画館に来るような親世代にはまだなってない。もともと、定番シリーズものかディズニー作品とかでないとファミリー客を集めるのは難しい。キラキラした思春期要素はないし絵柄が子どもっぽい(←原作尊重の結果)ので、10代20代のデートムービーにも見えない……。中身はもう(絵柄に抵抗感がない限り)全世代、老若男女が楽しめて感動できる立派なつくりなのですが。

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 結局、この映画を「発見」し…

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