森岡航平
群馬・高崎といえば新幹線から丘の上に見える高さ約42メートルの白衣大観音が知られるが、同じ観音山丘陵に、「洞窟観音」という謎めいたスポットもある。全長約400メートルの洞窟に観音像が39体。いったい誰が、何のためにつくったのか。
高崎駅から車で10分ほど。洞窟の中は薄暗く、ひんやりとした空気が肌に触れる。温度は年間を通じて17度ほど。洞窟のイメージとは違い、コンクリートの地下道を歩くような感覚だ。歩みを進めると左右に如意輪観音像や十一面観音像などが現れる。洞窟を200メートル進むと様子が一変した。ごつごつした岩石で壁が覆われる。
洞窟の最奥部は、大小の岩石でさらに複雑な様相で、神秘性を帯びる。巨石に色の違う石がはめ込まれている。滝や水の流れを表現しているらしい。テーマパークのアトラクションのような高さ15メートル超の階段状の装飾も。10トンを超えそうな巨石もある。彼岸の光景はこんな感じなのだろうか。
「よく勘違いされるんですが、…