(時紀行:時の余話)観音バエ、殿飛…漁師らが名付けた

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吉田博行
【動画】巨大な奇岩を巡る「沼島おのころクルーズ」=吉田博行撮影
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 沼島の漁師、前川仁さん(57)に頼んで、記者も「沼島おのころクルーズ」の漁船に乗せてもらった。

 島の西岸の沼島港を出発。まが玉のような形をした周囲約10キロの島を反時計回りに一周する。真っ青な夏空の下、さわやかな海風がほおをなでる。

 前川さんは所々で船を止め、奇岩や浜辺にまつわる島の伝承を聞かせてくれた。その中には、国生み神話にまつわる伝承以外にも、ユニークな民話がいくつも登場する。

 沼島港に近い「古水浦(こすいうら)」(古水(こすい)ノ浜)という浜には、赤猫の化け物の言い伝えがある。「夜な夜な赤猫が女性の姿で現れ、漁師に『ひしゃくを貸してくれ』と声をかけてくる。貸してやると、船の中にひしゃくで水を入れられて沈められてしまうんです」と前川さん。前もって穴を開けておいたひしゃくを赤猫に貸すと、船は沈まなくなったそうだ。

 「猩々(しょうじょう)バエ…

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