私大卒に「よく入れたねえ」 官僚たちの出世レース

有料記事カイシャで生きる

古屋聡一
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 出世レースの激しさ、厳しさは、カイシャも「役所」も変わらない。

 神戸学院大教授の中野雅至さん(54)はキャリア官僚として、旧労働省(現厚生労働省)に入って間もない頃、複数の先輩から言われた。

 「よく入れたねえ。これからどうするつもりなの」

 「あなたは不利だよ」

 東大法学部卒ではなく、私大文学部卒の学歴では「出世レースから外れ、そのうち左遷されるよ」と言いたいようだった。そんな先輩たちは東大卒でない人ばかりだった。

 これほどひどいとは思っていなかった。25歳で入省した中野さんは、地元の市役所に勤務後、一念発起して官僚になった「変わり種」。自分が「エリート」だと思ったことはないが、仕事ではなく、学歴だけで差別する目線が嫌だった。

 省内では人事が最大の関心事…

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