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　その昔、愛知県の旧下山（しもやま）村（現・豊田市）は観光客でにぎわった。ご多分に漏れず、多くの国内の観光地と同様、長期低迷に悩む。平成も終わろうとする今、観光業者らは活路を見いだそうと、新たな試みに知恵を絞っている。

　３時間待ってボートを借りに来た釣り客は４組だった。８月の土曜日午前８時、豊田市羽布（はぶ）町の羽布ダム堰堤（えんてい）近くの桟橋で、川合新一郎さん（８５）は苦笑した。

　「これでも御の字だがね。１０年以上前からずっとこんなもん」

　高度成長期の１９６３年、農…