社内政治による左遷は不幸か 人生ムダにする3カ条、生保社長の戒め

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古屋聡一
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 私(筆者)の仕事机には、数年前に、ライフネット生命保険創業者の出口治明さん(70)に取材した際にいただいた警句が掲げてある。

 すんだことをぐちる

 人をうらやましいと思う

 人にほめてほしいと思う

 人生をムダにしたければこの3つをどうぞ

     ◇

 左遷され、不遇だと感じている人への戒めにもとれる。1月に立命館アジア太平洋大(APU)学長に就任した出口さんに会いに行った。

 日本生命保険で働いていた出口さんは55歳の時、ビル管理会社に出向した。友人には「ひどい左遷人事だ」と怒る人もいた。

 きっかけは、社長との意見対立だった。

 国際業務部長だった1996年、海外での売り上げを大幅に拡大する目標を掲げた計画を策定した。少子化で縮小する国内市場の代わりに、収益の柱にする狙いだった。経営陣も計画を支持した。

社長と意見対立 「人事の流れ決まった」

 翌年に、「今は国際化は不要。国内に注力する」という考えの新社長が就任した。出口さんは国際展開の必要性を訴えた。社長の側近からは「社長が怒っている。すぐに謝れ」と連絡が入ったが、何もしなかった。「僕は自分の腹に落ちたことでしか行動できない。間違っていました、といわなかった瞬間に人事の流れは決まったんです」

 悔しくなかったですか?

 「平静でした。組織の人事と…

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